
モスクワ国際映画祭で最優秀作品賞と浅野忠信さんが最優秀男優賞を受賞したことで話題となった「私の男」を鑑賞しました。
10歳で孤児となった女の子とその子を引き取って一緒に暮らす男の禁断の愛を描いた作品です。
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2019年10月18日まで配信予定です。
あらすじ
津波により10歳で孤児となった花(二階堂ふみ)を遠い親戚である淳悟(浅野忠信)は引き取り、北海道の田舎町で身を寄せ合うようにして暮らしていた。
遠い親戚ということで花を引き取った淳悟だが、実際は花の実の父親だった。淳悟が中学生の時に遠縁の親戚の家に預けられ、そこで親戚のおばさん(花の実の母親)と関係を持ち生まれた子供が花であった。
2人で暮らすうちにお互いにとってなくてならない存在となり、禁断の関係になってしまう。
淳悟にはもともと美しい恋人がいたが、その恋人さえも入り込む余地のないほどの濃密な関係。
しかしやがでその関係は地元の名士、大塩に知られてしまう。
離れろと説得する大塩を花は流氷のかなたに置き去りにして帰ってきてしまう。
その後2人は逃げるようにして北海道を出て東京で暮らすが、そこに現れたのが、花が大塩を殺したという証拠を見せてきた地元の刑事。その刑事を今度は淳悟が殺してしまう。
人を殺したことを後悔し、父親はどんどん堕ちていってしまう。
北海道の流氷が軋む音が響く田舎町の寒々しい雪景色と、2人の危うげな関係が独特の世界観で迫ってきます。
自分の子供として育てると花を引き取った時、花は10歳、淳悟は25歳です。ということは淳悟が15歳の時にできた子供ということになります。(このあたりは原作読んでないので正確な年は違うかもしれませんが、だいたいこのくらいの年の差です。)
映画では詳しく語られていませんが、花は母親からひどい育てられ方をして育ちました。
そして淳悟も自分の家族を「クソみたいな家族」というように不幸な子供時代を送っています。
そんな2人がお互いをうめあうように愛し合ってしまう姿は悲しいです。
2人の関係のきっかけをつくったのはまだ幼かった花です。
しかしそれがきっかけだったとはいえ実際に恋愛関係ををもってしまう父親。
そんなあやうい父親役が浅野忠信さんにハマっていました。
この映画では小町さんという浅野忠信の恋人役の女性も独特の存在感を醸し出していました。
淳悟との結婚を望んでいるのに、その間にたちはだかる花という存在。
ある時、小町が町の宴会で席をはずしていた花と淳悟2人のいる部屋をのぞき込むと2人はお互いの手をなめあっています。
話しをしたいと言う小町に、淳悟は「いいよ」(話なんてしなくていいよ)と冷たく言い放つシーンは強烈です。
花が小町に向かって
「あなたじゃだめなんだって」
言うシーンとか小町の立場になって考えると本当にそら恐ろしい子だなと思います。
私は勝手に美化された純愛みたいなものを想像して見始めたのですが、まったく思っていたのと違う展開でした。
たしかに2人の関係を美化したところでその関係に将来がないことはあきらかですし、このようなラストに向かっていくことは必然なんだと、勝手に美化した美しい映画を期待していた私はいい意味で裏切られました。
浅野忠信が自分のキャリアのすべてをかけたという演技と二階堂ふみのあどけなさと妖艶さの同居する演技が冴えわたる作品でした。
以前は540円でレンタル配信されていた「私の男」ですが、現在は見放題で配信されています。
見放題作品は、初回トライアル利用で31日間無料で視聴することができます。
「私の男」も現在、見放題作品となりますので、無料トライアルでの視聴が可能です。
2019年10月18日まで配信予定です。