
U-NEXTで「そして父になる」を鑑賞しました。最初の30分くらいはいまいち入り込めなかったのですが、その後どんどん面白くなってきて、見終わった後も余韻が残る映画となりました。
あらすじ
一流企業に勤める野々宮良多(福山雅治)は妻(尾野真千子)と6歳になる息子と高層マンションでの3人暮らしだった。ある日突然、病院から連絡があり、息子が取り違えられていたとの事実を告げられる。
突然のことに動揺と苦悩する夫婦だが、良多は普段、息子の自分と違うおっとりとした性格に不満をもっていたことを再認識し、今まで違和感を持っていた理由がそこ(実の子ではなかった)にあったのだと納得いくような気持ちももっていた。そんな気持ちに気づいた妻は夫に許せない気持ちを抱く。
その後取り違えられた夫婦との交流が始まるが、相手側の夫婦はエリートな野々宮家とは対照的に町で小さな電気屋を営む良多にはがさつにも感じられるような庶民的な家庭だった。
そんな相手に子供を2人引き取るから譲ってもらえないかと言い出す良太。相手の家庭や実の子供との交流、自分の両親との再開などを通して、子供と過ごした6年間を振り返っていく。
感想
最初この映画を見る前は「子供の取り違えに苦悩する夫婦の感動ストーリー」という前情報しかもっていなかったので、取り違えがわかった時の良多(福山雅治)の冷静な態度に違和感を感じましたが、見続けるうちにこれは取り違えに苦悩するだけではなく、今までうわべだけしか子供と接してこなかった父親が本当の父親になっていくためのストーリーだったのだと知りました。
やさしくておだやかで競争心の少ないわが子。自分に比べてそこまで優秀ではない息子に実は普段から少しいらだちを感じていた父親。もう子供を取り替える気満々なんじゃない?と思えるようなところも見えたりして、そこのところ観ていて嫌な奴!って思ってしまうようにうまく描かれているんです。
取り違えによって今まで息子に対して感じていた不満や、母親まかせにしてきた子育て、うまくやってきたと思っていた夫婦の絆などの問題が表面にでてきてしまいます。
そんな夫婦に対して、対照的に描かれているのが相手側のリリーフランキーと真木よう子夫婦。
相手側は庶民的、お金に目がない、なとどいう感じでエリート家庭と露骨なくらい対照的に描かれています。でも見ているうちにこんな父親いいよな〜っていうくらい、なんかいい父親っぷりなんですリリーフランキーが。真木ようこさんの母親役もいいです。
そいうった自分とは違った家庭との交流や、実の子供との再会をきっかけに今までの自分と子供との関係を見なおしていくようになっていきます。
しかし、たとえこのまま育てていっても、どんどん相手の親に似ていく子供を愛し続けることができるのだろうか?
本当にこれは一筋縄ではいかない問題です。だからこの映画でもはっきりとした結論は描いていません。
でもラストに至るまで、夫婦や相手の夫婦や子供などいろんなやりとりを通して自分なりに子供や夫婦の関係を見つめるきっかけになったり考えたりすることができる映画だと思います。
血のつながりを選ぶか時間を選ぶかというところが最大の見どころではなく作品のすべてがもう一度見返したくなる映画でした。
この記事を書いているのが映画を見終わって2、3週間くらいたっているのですが、それで思い出しながら書いていたらジワジワと感動で胸にジーンときています。ワンワン泣くような感動ではないけれど静かな感動と余韻が残る映画です。もう一度観たいなと思える映画でした。
配信期限:2017年4月22日まで