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綾野剛、池脇千鶴の熱演が光る映画「そこのみにて光輝く」
画像:U-NEXT公式サイトより
この映画で綾野剛さんは第88回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、池脇千鶴さんは日本アカデミー賞主演女優賞を受賞しました。 1989年年刊行の佐藤泰志の小説が原作。
以下では視聴した感想やあらすじ・視聴できるサイトを紹介しています。(2024.3.22更新。感想は2015年当時のものです。)
仕事をやめ、パチンコなど無為な日々をすごす達夫(綾野剛)はある日パチンコ屋で人なつこい青年拓児(菅田将暉)に出会う。
達夫は案内され、拓児の家へ行くが、そこはボロボロのバラック小屋だった。
そこで達夫は卓司の姉・千夏と出会う。
一目見て、お互いに魅かれあう2人。
しかし千夏は達夫の想像している以上に過酷な日常を生きていた。
寝たきりの父、介護に疲れ切った母、脳梗塞で寝たきりの父の性欲の処理、生活のために体を売り、腐れ縁の男・中島(高橋和也)との愛人関係。
弟拓児は仮釈放中の身で弟の書類を書いているのも中島で千夏はそこに付け込まれている。
そんな毎日が日常になってしまい、もうそこから這い上がろうという気力さえなくしてしまった現状。
そこからなんとか救い出そうとする達夫だが、前の仕事で同僚を事故で死なせてしまった罪と後悔の意識にさいなまれ自身も深い傷を抱えてて生きている。
達夫と出会ったことで拓児も閉塞感の中からも達夫とともに山で働きたいという希望を見出し、明るい未来を描いた矢先、事件を起こしてしまう。
バラック小屋、体を売って生計を立てる女性、社会の底辺で生き、しかもそこから抜け出そうという気持ちさえ抱けないところまでになってしまった日常から抜けだしていく物語。
扱っている主題や登場人物たちの置かれている立場は暗くて重いし、実際にそういうシーンもあるのだけれども見終わった後に残るのはピュアで透明なイメージ。なぜか美しくさえもある。
やはりこれは主演の2人の存在感からなのかな。
深い傷を追った2人の男女がお互いを求めあうシーンは迫ってくるような迫力があります。
主演の2人もよかったけれど、他にすごく印象に残ったのが弟役の菅田将暉さんと愛人役の千夏の愛人役の高橋和也さん。
映画で中島を刺してしまった拓児を達夫が殴るシーンがとても印象的なのですが、実は殴るというのは脚本にはなかったそうです。綾野剛さんが殴りたいと監督に言って、そのことを拓児役の菅田将暉さんには言わずに本番を撮ったそうなんです。
このエピソードを読んでへえ〜そうなんだ〜とびっくりするくらい殴るのは必然だったように思うし、突然殴られたなんてまったくわからないくらい自然な演技でした。
「おれ山行けねーや」っていうシーンは悲しくてせつない。せっかく希望を見出し生きようとしていたところなのに。
あ〜あと一歩だったのに〜というようなもどかしくて悲しい気持ち、完全に感情移入してしまいましね。
でも3人はきっと希望を見つけたのだと思います。そんな希望の対称にある役を千夏の愛人役の高橋和也さんが熱演していました。役としては憎らしいんだけど、すごく良かったです。
ラストシーンの美しい景色が印象に残るからか、すごく重いテーマだけど、見終わった後はすがすがしも残る映画でした。
2024年3月現在U-NEXTでは映画「そこのみにて光輝く」を見放題で配信中です。
※2024年3月時点で90日以内に配信終了予定はありません。
初回31日間の無料トライアルで視聴が可能です。
※この記事の配信情報は2024年3月22日に更新しました。変更になる場合もありますので、最新の情報はU-NEXT公式HPでご確認ください。