
阿部寛さんと天海祐希さんが夫婦役を演じる映画「恋妻家宮本」がU-NEXTより動画配信がスタートしたので視聴してみました。
「恋妻家宮本」(こいさいか・みやもと、と読みます)は「家政婦のミタ」「〇〇妻」「女王の教室」、最近では「過保護のカホコ」などのヒットドラマで知られる脚本家・遊川和彦さんの映画監督デビュー作となります。
遊川和彦さんのドラマは1話を見始めると最終話まで欠かさず観てしまうほど大好きなので、初監督作品ということでレンタル開始を楽しみにしていました。
原作は重松清さんの小説「ファミレス」。映画は原作に大胆なアレンジを加えた作品となっています。
映画の中でもファミレスがモチーフとして効いています。
こいさいかというのはもちろん造語なのですが、結婚から25年たって、ある出来事をきっかけにすれ違ってしまった妻への想いを再確認する夫のお話です。
中学校教師の宮本陽平(阿部寛)と妻の美代子(天海祐希)は一人息子の正が結婚し、ひとりだちしたことで50歳にして初めて2人きりの生活を送ることになる。
2人はいわゆるできちゃった結婚で、正直愛より責任で結婚した陽平ではあったが、子どもが巣立つまでの25年間はそれなりに家族3人で平穏に暮らしてきた。
突然2人きりの生活になったことでなにかぎこちない夫婦だったが、ある日、陽平は本棚から妻側部分が記載された離婚届を見つけてしまう。
問いただす勇気もなく悶々とする陽平。それをきっかけに妻の1つ1つの言動が気になってしまう。
動揺を隠せないまま宮本は趣味の料理教室の仲間とのやりとりや母親が不倫相手を事故を起こした生徒とのかかわりの中でこれまでの夫婦関係や自分の人生を見つめ直していく。
感想
遊川和彦さんといえば家政婦のミタや○○妻のようなミステリアスな謎が謎を呼ぶ展開が印象に残っている方も多いと思いますが、
こいさいかみやもとはある意味スタンダードなストーリーでミステリアスな展開を期待してみるとやや肩すかしをくらうかもしれません。
テーマは50代を迎えた熟年夫婦が離婚危機を迎えるというある意味ありふれたものではありますが、
まず妻が隠していた離婚届を見つけて動揺する夫を演じた阿部寛さんがいいです。
阿部さん演じる陽平はメニューがありすぎて決められないからファミレスが嫌いという優柔不断な男。
しかし、25年間、中学教師として仕事をまじめにこなし、家庭に給料を入れ、浮気もせず真面目に生きていたてきた自分に妻が離婚を考えていたというショック。
ある意味青天霹靂な出来事をきっかけにこれまでの人生を振り返り
家族とは何か?
自分にとって妻の存在とは?
ということを見つめ直していきます。
映画全体では、離婚届を見つけて動揺した夫がそれから今までの夫婦関係や自分の人生を見つめ直していく
というように主に夫側の視点から描かれていきます。
もう少し妻側の視点からも夫婦の関係を掘り下げて見たかったという気持ちもありますが、これはこれで面白かったです。
「私たち夫婦に正(子供)以外もう何も残っていないような気がして」
という妻のセリフが印象的でした。
視聴者それぞれが家族との関係や自分の人生を見つめ直し、何かを考えさせられるそんな映画になっています。
すれ違いの中で夫婦が見つけた結論とは?ハッピーエンドなので見たあとは優しい気持ちになれると思います。
※配信は終了いたしました。
※上記は2017年8月7日時点での情報となります。変更となる場合がありますので最新の情報はU-NEXT公式サイトでご確認をお願いいたします。