
ずっと気になっていた宮沢りえ主演「紙の月」がU-NEXTで配信されていたので見ました。
この映画で宮沢りえさんは2015年日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しました。
「紙の月」の見放題配信がスタートしました!
現在U-NEXTでは「紙の月」を見放題で配信中
初回、トライアル利用で無料で視聴ができます。
2019年11月30日まで配信予定です。
最初この映画は、自分より何歳も年下の青年と恋におち、その恋に狂った女の生き方みたいなのを見せる映画なのかと思っていました。
でも実際に見てみるとそのあたりの感情はそこまで丁寧に描かれていないし、そこはそんなに重要なのではないのかもしれないと思いました。
恋に落ちていく女というより犯罪の深みにハマり大胆に堕ちていく女。そんなところがうまく描かれている映画で非常に面白かったです。
銀行の契約社員として働く梨花(宮沢りえ)は夫(田辺誠一)と2人くらしの主婦。やさしい夫だが夫婦仲はマンネリ化しており、ときめきは一切ない。
営業を任されるようになった梨花は銀行の顧客の老人の家でその男の孫の大学生・光太(池松壮亮)と出会う。
梨花はあっというまに光太と肉体関係をもってしまう。
梨花はほとんど化粧気もない地味な主婦。光太にキレイに見られたいその気持ちからデパートで化粧品を4万円近く買ってしまう。しかし自分のお財布には1万円足りず、顧客から預かったお金から出してしまう。
その時はあとから自分のお金を戻しことなきを得た。
しかしその後、光太に学費を払うための借金があることを知る。
大学を辞めると言う光太に60万円くらいならなんとかなるよと言う梨花。
そこから犯罪に手を染め堕ちていくまでは一瞬だった。
映画が始まって「えっもう?」っていうくらい梨花と光太が関係を持つまでがあっさりしすぎていて最初はあまり感情移入できなかったのですが、映画か進むにつれ、横領の部分、人が堕ちていく様を丁寧に描いていてそこにスポットがあたったあたりからグンと面白くなってきました。
梨花は相手は誰でもよかったとまでは言わないにしても、このマンネリだった日常から抜け出すきっかけが欲しかっただけなのかもしれません。そこにたまたまいたのが光太。
その青年との出会いをきっかけにして、少しずつ少しずつ犯罪に手を染めてしまう銀行員梨花の姿がものすごくリアリティを持って描かれています。
大げさすぎず、本当に人って犯罪に手を染める時こんな感じでやるんじゃないか?と思えるほど。
初めて宮沢りえが横領をしてしまうシーン。あっ今ならできるかもと言う気持ちで200万円の大金を横領してしまった時のドキドキ感。
あの心臓が飛び出すんじゃない買っているほどの緊迫感みたいなのが伝わってぞわ〜っときた。
それがうまくいって、次は300万円も痴呆症のおばあさんから取ることができてしまった。ここまで来たら後は落ちる一方。どんどん大胆に変わってきます。
大金を手にした男と女のかりそめの幸せな時間。
女はどんどん大胆にキレイに変わっていきます。
最終的に横領した金額はなんと3000万円でした。(2000万円だったかな?)
相手役の男性も女性が完全にのめり込むような男という描き方ではなく、ほんとにそのあたりのどこでもいるような大学生。2000万も3000万も貢ぐような男性ってかんじじゃないところが逆にリアルでした!
そのあたりの最初はどこにでもいる大学生→お金があることで調子に乗っていく様子→残酷な裏切りという年下男の定番をいっているあたりは予想通りでしたね。
梨花がこの青年に恋した理由というのがあまりにもあっさり過ぎてそこがあまり共感できず、でもあえてそこは深く描かなかったのかもしれない。
梨花の不正に気づき、彼女の犯罪を見破ったのは小林里美演じるお局銀行員です。
そんな彼女が梨花とふたりきりの時に
「自由になんでもやっていいと言われたら何をするか考えた」というシーン。
まじめひとすじ、犯罪とは対局にいるような彼女がなんとなく梨花に親近感というか
羨望とまではいかないけどどこかそんな気持ちをもっているのではないと思わせます。
そして最後逃げるシーン。私はあのシーンが1番好きでした。
ある意味非日常体験、緊迫感ドキドキ感を体感できる映画でとても面白かったです。
以前は540円でレンタル配信されていた「紙の月」ですが、現在は見放題で配信されています。
見放題作品は、初回トライアル利用で31日間無料で視聴することができます。
2019年11月30日まで配信予定です。