
山田洋次監督、松たかこさん主演の2014年の映画「小さいおうち」をU-NEXTで鑑賞しました。
昭和初期の東京を舞台とした小さなおうちの中での小さな恋の出来事を繊細なタッチで描いていきます。
昭和初期、小さなおうちには雅樹、時子、5歳になる1人息子の恭一が3人で暮らしていた。
そこに女中としてやってきたタキ。
おだやかに暮らしていた4人だったが、そこに雅樹の会社の部下板倉正治(吉岡秀隆)が現われます。
時子が雅治に魅かれていることにタキは気づきます。
そして2人がただならぬ関係を持ってしまったことも。
戦況が徐々に悪化していく中、板倉に召集令状が届きます。
タキは板倉のところに会いに行こうとする時子を制し、私が手紙を届けます。と
時子の手紙を板倉に渡しにいくのです。
板倉のもとに行こうとする時子を必至でやめさせるタキ
しかし晩年タキがつづっていた自叙伝にはタキが誰にも言えなかった秘密が書かれていたのでした。
この映画で重要なポイントとなるのが
タキが時子の手紙を板倉に渡さなかったこと。
その手紙には戦争に行ってしまう板倉に
「どうしてもお会いしたいので明日お越しください」
書かれていたのでした。
すごく面白いなと思ったのが、
なぜ渡さなかったのか自分なりに考えていてみながどんな風に考えているんだろう?
と調べてみると
1、時子に不倫をやめさせたかった
2、板倉を好きだったので2人を合わせたくなかった
3、時子を好きだったの2人を合わせたくなかった
と、みなさんけっこう意見が分かれているんですよ。
最初は私も板倉を好きだったからだと思っていたのですが、
でも時子を好きだったようにも思うし。
なぜ板倉が書いた絵が晩年の滝の部屋にあったのか?
3人の微妙な関係がうかがえます。
板倉も最後の場面でタキを抱きしめて
「僕はタキちゃんと奥様を守るために」
と言った言葉も見るものに色々な想像をさせます。
どれとも解釈できるように映画でははっきりとは描いていません。
正解はあるのかもしれませんが、映画を観た人それぞれがそれぞれにいろんなことを考えてもいいように
わざとはっきりとは描いていないかもしれません。
いろいろ考えて連想することができるのはとてもいい映画なのではないかと思いました。
そして私は黒木華さんという女優さんはあまりよく知らなかったのですが、女中さん役がとてもすばらしかったです。
そういえば先日見た「舟を編む」の編集者役が黒木華さんだったということがわかりました。
言われてみれば顔はたしかに同じなのですが、全然雰囲気が違うのでわからなかったくらいです。
舟を編むでも普通っぽい今どきな子をすごく自然な演技でいいなと思って印象が残っていました。
昭和初期の雰囲気も素敵でしたよ。
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