
「ほしのこえ」は大ヒット映画「君の名は」の新海誠監督の2002年の記念すべきデビュー作品となります。
「君の名は」を観て、過去の監督の作品を見たいという方も増えている中、初期の作品のなかでもルーツとして注目を集めている作品となります。
すべて監督が1人で制作した自主製作品としても話題となった作品です。
長峰美加子と寺尾昇は中学の同級生で言葉にはしなくてもお互い特別な思いを抱いていた。
一緒の高校に行くことを楽しみにしてた昇。しかし中学3年の夏、美香子は国連軍の選抜メンバーに選ばれたことを昇に告げた。
翌年宇宙に出発した美加子。
離れ離れになっても連絡を取り合う2人だったが、美加子のシリテア号が地上から距離がはなれるにつれ、メールの往復にかかる時間が開いていく。
ただ美加子からのメールを待つだけの自分にいらだつ昇。
ワープをして8年の時間がかかる距離にまで2人は引き離されてしまった。
新海監督といえば雲や雨などの風景描写や映像美が高く評価されていますがこの作品でも風景描写のすばらしさを堪能することができます。
夏の雲や突然ふりだす雨、空がとても美しく、印象的に描かれています。
そして美しい空を飛ぶトレーサー。
そんなきれいな空を見上げながら美加子は昇に告白します。
「私、あれに乗るんだ」
国連軍のメンバーに選ばれたことで遠く離れ離れになってしまう青年と少女のせつないすれ違い。
地球と宇宙というはてしない距離。
そして時間がたつにつれどんどん離れて行ってしまう距離。
男女のせつないすれ違いという点では、秒速5センチメールなどのにも共通するテーマの作品ともなっています。
また君の名はのスマホのメールやりとりを連想させる携帯メールでのやりとり。
君の名はのルーツ作品の1つとも言われます。
美加子と昇が学校から帰るワンシーンの何気ない描写や風景を見ているだけでもなぜかせつなくて胸をつかまれるような気持になることがあります。
それは新海監督が雲や光の当たり方など1つ描くにもこだわりを持って描いているからなのだと思います。
雲1つを描くにもその温度や風の当たり方などを想定して描いているのだそうです。
約25分という短い作品で、2002年といえばまだスマホではなく携帯メール全盛だった時代。電話の形や登場人物のビジュアルにどこか時代を感じる作品でもありますが「君の名は」のルーツという視点で見ると興味深いのではないかと思います。
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※上記は2016年9月13日現在の情報です。配信は終了する場合もありますので最新の情報はU-NEXT公式サイトでご確認ください。